E.P.C.S.R.

◇記念すべき第1回目!◇

皆さんこんにちは!「アルトネリコ」のディレクターをやっとります、土屋です。
こちらのページでは書きたいことをガンガン書いていこうと思います。ゲームのこと、世界のこと、音楽のこと、絵のこと…企画立ち上げのこと、などなどなどなど、本当に皆さんにお伝えしたいことが山ほどあるんです。

第一回目ですので、「アルトネリコ」というゲームに託した想い…コンセプトについてのお話をしましょう。
このゲームが伝えたいメッセージは「本当に人を愛するとはどういうことか」です。ここの「愛」は恋愛の愛よりもずっと大きな意味です。そんなテーマでゲームを作ろうと考え、そして出来たのがアルトネリコです。この「愛」というものを描くために、企画立案当初から決めていた2つの「絶対に変えないコンセプト」のお話をしましょう。

1つめは「ゲームであれ」という事です。
本作はゲームです。映画でも本でもアニメでもありません。1つの作品として愛をテーマに描くとき、「ゲームというメディアで描くのだから、ゲームならではの表現で描こう」という事を決めていました。これはどういう事なのか…。「愛」をテーマにしたRPGなどは、今回が初めてではありませんよね。それこそ普遍的なもので、各メーカー、各RPGが今までに何度もテーマとして扱っています。しかし、そういったゲームの殆どが「愛をテーマとした物語」を持つRPGです。それは物語…シナリオであって「ゲーム」ではない。せっかくゲームという媒体を使っていて、更に「愛」というメッセージを配信するのに、ストーリー部分にしかそれが反映されていないのなら、ゲームで配信する意味がありませんよね。同じモノをもっと高度なレベルで表現できるメディアは、他に沢山ありますから。
本作はゲームです。ゲームならではの、いや、ゲームでしかできない「ホンモノの愛を紡ぐ」モノを創りたかった。ゲームにしかできない優位性、それは双方向性であり、体感できることであり…そして「遊べること」です。そう!物語だけでなくゲーム全体で愛を語ることによって、ゲーム独自の表現手法が行えるのです!
本作では、物語はもちろん、それと連携して、戦闘、合成など、様々なシステムが全てその「愛」を描くシステムとして搭載されています。

そしてそのモデルケースとして、プレイヤーである「主人公」と、一番身近な存在「ヒロイン」との関係に焦点を当て、徹底的に描きました。それが「ムスメ調合」なのです。
ムスメ調合というシステムは、主人公とヒロインの関係に集約した、本当の愛情を表現する為のシステムなのです。その愛情とは恋愛よりも大きな愛、包み込むような愛です。主人公(=プレイヤー)がヒロインにしてあげた行動のちくいちを、ヒロインが反応して返す、それによってヒロインが頑張る、そして強くなる…。こういった一連の流れを、物語のみならず、双方向性のあるシステムによって構築しているモノなのです。

2つめは、絶対にやらないと決めていたことについて。
本作では「ムスメ調合によって性格を変える」「自分の好きな人格を形成させる」といった事だけは絶対にしない、という事を、企画立案と一緒に決めていました。それは、ムスメ調合が上のようなコンセプトの元に成り立っているためです。
人間関係や愛情、思いやる気持ちというのは、実際に心と心が通じ合う事で生まれるものです。それを裏操作や薬などといったものによって変化させるなどということは、例え1回であっても行ってしまったら、何の感動も、説得力も無くなってしまいますから。
本作のムスメ調合で変わっていくのは、レーヴァテイルという種族の持つ特殊能力の部分です。レーヴァテイル特有の能力である「強力な詩」の力。心の奥から紡ぐその「詩」という力は、そのヒロイン自身の「想い」に大きく左右されます。主人公がヒロインとの絆を大切にする、思いやることで、その能力をヒロイン自身が主人公を助けるために伸ばそう、そして主人公と助け合っていこう!と思い始める…。これが本作の求めているビジョンです。
ムスメ調合を通じて、今の世界やゲームが忘れかけている「暖かいもの」を少しでも皆さんに体感して欲しい、そんな想いを込めて、1つ1つ、構築してきました。発売まであと3ヶ月程度となった今でも、この2つの決めごと、そして想いは当初と変わっていません。そして、何か1つでも、プレイしてくれた皆さんの心の中に暖かいものが残ってくれれば、私にとってはこの上ない喜びなのです。

さて、今回のお話はこれでおしまいです。次回は…何にしようかなぁ。その場のノリで決めると思いますが、「世界設定」についてのエピソードか、「歌い手さん」についてのエピソードにしようかと思っています。

それではごきげんよう!

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