E.P.C.S.R.

◇世界紀行【第8回】「ネモの街」について◇

こんにちは、土屋です。
今回の世界紀行は、ほたる横丁からぐぐっと上っていき、ネモの街についてお話ししたいと思います。
ネモの街は何の変哲もない街です(と言っても自然発生的な二重構造になってる時点で変哲はあるかもしれませんが)。その中でも最も特徴的な場所と言えば、大唄石公園でしょう。唄石がデンと置かれた眺めが良い公園は、この世界を象徴的に描いた場所の1つかもしれません。
そんな大唄石公園は、アルトネⅡの滝の見える丘公園と並ぶくらいの定番デートスポットです。あそこにいるバカップルにげんなりした人も少なくは無いかもしれません。現在は単なるデートスポットでしかないこの公園、実は制作初期にはとんでもない施設が併設されていました。それは、ダンジョンでした。

まだ初期の頃、シナリオ担当のスタッフとディスカッションをしていた頃の話です。ヒロインとライナーとの仲を近づけようとするイベントが有ったのですが、その手法としてスタッフが提案してきたのがこのダンジョンでした。
その名も「ラブラブダンジョン」……。
初期のシナリオには、こんなエピソードがあったのです。
「大唄石公園のラブラブダンジョンに入り、ゴールまでたどり着いた男女二人は必ずカップルになれる」
ダンジョンの中には殆ど敵が出ず、各階毎に試練がありました。それは「相性診断」とか「二人でくっついてプリクラを撮る(アツアツなプリクラを撮らなければならない)」とか「ポッキー食べバトル」とか「愛の語らいをしなければならない」とか「抱擁しなければならない」とか…。そんなイベントが続くダンジョンだったわけです。
イベント的にも「ライナーとオリカが険悪な時期に二人でこのダンジョンに入って、最後の方まで行くとミシャがいて邪魔する」という、今のアルトネリコとは全く違うシナリオでした。今思い返してもすごいインパクトだなぁと思います。このダンジョンをもし採用していたら、プレイされた皆さんからどんな反応があったのか、怖いもの見たさでちょっと見てみたい気もします(笑)

ちなみにこのイベントは、今のシナリオのどこに挿入されるというものでもなく、一度全体を描き直していますので、全く別の流れのシナリオの一部分です。
そのダンジョンは大唄石公園の大唄石の更に奥にあり、当時更に続いていた石段を上ると神殿のようなものが立っていて、そこから入れる形になっていました。製品版では階段から先は削除した為ありませんが、初期にはそのようなものが存在していたわけです。
今回は世界紀行というより、シナリオ開発秘話的なお話になってしまいました。次回はプラティナに向かう予定です。
それでは今回は、この辺でおいとまさせていただきます。