◇世界紀行【第1回】第二塔創世記・前編◇
こんにちは、土屋です。長く続いていた「テレモのある広場」も、内容について一段落しました。
そこでこのコーナーもタイトルを一新し、今回から数回にかけてアルトネリコの世界観についての設定話、裏話をお話ししていこうと思います。
今回は第一回目という事で、アルトネリコⅡより「塔全体のデザイン」を中心とした制作秘話、設定についてのお話をしたいと思います。
アルトネリコⅡの塔は、デザイン的にかなりの紆余曲折が有った後に生まれています。
それはこの世界の歴史的設定と並行して作っていることが一番の理由ですが、それ故に、現在では当然のように語られている事も、開発初期には考えもしなかった事はたくさん存在します。
中でも塔の建築原理に関しては、絵のデザインを模索しながら決めていきました。具体的に言えば、最初の第二塔のコンセプトは「建設途中の塔」でした。
アルトネリコⅠをプレイした方は記憶の片隅にあるかと思いますが、塔の壁(青い壁のダンジョン)に「A3」や「A7」などの隔壁がありました。アルトネリコという塔は玉ねぎのように層があり、中でも2つの大きな隔壁があります。内側から「A隔壁」「B隔壁」という名前になっていて、「A7隔壁」とは、下から7番目の内側の隔壁という事になります。
アルトネリコⅡの塔は建設途中という事で、その輪切りがそのまま大地になっているという設定でした。迷路状に入り組んでいる、玉ねぎ状の壁の上に人が住んでいるという設定です。今では「リム」は工事用のドラフター(製図器)であるという設定になっていますが、今でもその当時の名残が残っています。それは、リムのパージ線(崩壊して落ちていく境界線)ごとのブロックの名前です。カナカナ突堤側から「B1」で、約束の丘が「B7」になっています。これはまさに、当時リムが「B隔壁」付近に存在していたことの名残です。
その後リムが製図器という設定になり、その設定から塔のデザインをいくつか起こしています。その時に模索していた塔の案2点が、この絵のようなものでした。
▼アルトネリコⅡの初期塔案2案▼
ここで初めて「塔が吊られている」という設定が出てきます。これは背景デザイナーの松本氏による案だったのですが、この一枚の絵から更に様々な設定を構築することが出来るようになりました。
結果はお分かり頂けると思いますが、吊されている案を元にプロジェクトは進行しています。こうしてアルトネリコⅡの塔は、現在ゲームになっている塔の形に一歩近づきました。この「吊されている」という案によって、ソル・マルタが現在の形になっていることは説明するまでもありませんが(それ以前にもソル・マルタはありましたが、違う設定でした)、それ以上に、世界全体レベルの設定との整合性、そして世界の中での第二塔の意味、役割を具体的なものにする為の手段としても、大きな転機になるきっかけになっています。
さて、次回は「第二塔創世記・後編」としまして、ここからソル・マルタが出来、更に現在の形になるまでのお話をさせていただきたいと思います。
それでは皆さま、次回又お逢いしましょう。