ヒュムネクロニクル第7回目!「PHANTASMAGORIA」について!
こんにちは、土屋です。
ヒュムノスに関する開発秘話やエピソードなどを皆さんにお届けするコーナー、ヒュムネクロニクル。第7回目です。今回は「ファンタスマゴリア」についての、製作苦労話などをしていきたいと思います。歌い手さんには、みとせのりこさんにインタビューをさせていただきました。
【今週のテーマ:『PHANTASMAGORIA』】
エンディングテーマとして作られたこの曲。曲自体は全曲中一番最後に創られた曲ですが、構想は一番最初からありました。アルトネリコという作品が持つコンセプトは、今も昔も変わらず「絆」や「人と人との繋がり」という事です。エンディングでは必ずそれを昇華させたい、という想いがずっとありました。そしてその想いは「世界中の人々」という形となって紡ぎ出されました。
「世界中の人々」とは、このファンタスマゴリアの曲中最後の方にある、沢山の人による大合唱のことです。この世界中の人々こそ、アルトネリコという作品のテーマを表現するためにとりいれた、冒険の1つでした。
きっかけとなったのは、「We are the world」のメイキングDVD。ご存知の方もいらっしゃると思いますが、We are the worldという曲は、世界中の著名なアーティストが、この世界から飢えや苦しみを無くそう!と発起し、こころを一つにして謳った歌です。その歌の最後に、その世界中のビッグアーティストが同じコーラスを歌い続けます。このコーラスを聴いたとき、世界中の人々が手に手を取り合ってみんなで歌っている、というイメージがぶわーっと湧いてきたのです。是非これをアルトネリコのエンディングでも表現したい、と思いました。そして、様々な方々にお願いして、最後のフレーズを謳ってもらったのです。その意味を説明すると、誰もが快く引き受けてくれました。このようにして、ソル・シエールの人達全員が謳っているというイメージの曲、ファンタスマゴリアは完成しました。ゲーム中で苦楽を共にしたヒロイン達3人が中心となって、世界中の人達が心を一つにする、というシーンを描いたのです。
世界中の人々のみならず、この歌には様々な冒険がありました。個別で活動されている歌い手さんの歌を会わせて1つの曲にする、という思い切った試みが成功したのも、それぞれの歌い手さんが快く引き受けてくれたからに他なりません。
歌自体も簡単というわけでもないのに、更に他の歌い手さんとの歩調や関係も考えて歌うことは、相当な苦労があったと思います。そんな中、この私の無謀な企画に最後までつき合っていただいた歌い手さん達には、本当に頭が上がりません。そして沢山の協力してくれた皆さんにも、今でも感謝の気持ちで一杯なのです。
こうして、皆さんの気持ちと協力によって紡ぎ出されたファンタスマゴリア。お陰様でゲームをプレイした皆さんからも好評を頂いていて、制作者としてとても幸せな気持ちです。ゲームをプレイしてくれた皆さんもまた、この曲を聴きながら想いを共にしてもらえていたら、それは一緒に謳ってくれていることと同じです。こうして、皆さんと共に手を取り合って謳えたことを、本当に嬉しく思っています。
最後までゲームをプレイしてくれた皆様、世界中の人々を快く引き受けてくれたアーティストさんや声優さん、そして、最後までつき合ってくれた歌い手さん達には、この場を借りて、改めてお礼をしたいと思います。
本当にありがとうございました!