ヒュムネクロニクル第3回目!「SUSPEND」「RIG=VEDA」について!
こんにちは、土屋です。
ヒュムノスに関する開発秘話やエピソードなどを皆さんにお届けするコーナー、ヒュムネクロニクル。大好評のうちに3回目となりました。
今回は「SUSPEND」と「RIG=VEDA」についての、製作苦労話などをしていきたいと思います。歌い手さんには、みとせのりこさんにインタビューをさせていただきました。
【今週のテーマ1:『SUSPEND』】
アルトネの中では当然、そして知る限りでも極限に暗い部類の曲と思われます。この曲を創るとき、作曲者と世界創造者とディレクターでそれぞれ違う思惑があったのですが、この曲は上手くそれが一致したなぁと思っています。
ディレクターサイドとしては、この曲は「プレイヤーを焦らせるエンディングテーマ」であることを一番大事にしていました。スタッフロールが流れてきたときに、誰もが「え?ええっ!?」となるようなものを構想していたのです。
世界創造者としては、この曲は管理者の世代交代のための詩であり、その設定が盛り込めることが大事でした。世界観話になってしまいますが、アルトネリコの世界で管理者の世代交代というのは、前の管理者が何らかの不具合で不調になったときにしか行われません。人間で言えば死や大病に当たるわけですが、その時に、今までの苦労を労いながらヨシヨシしてあげるような子守唄(鎮魂歌)としての色合いがあるといいなぁと思っていました。
そして作曲者の方では、楽曲だけで不安になるような、凄く不安定な曲を創りたいという事で、変拍子にトリプルメロディという、とんでもない楽曲に仕上がったのです。結果的にサスペンドは、他のヒュムノスとは一線を画す、インパクトの強い曲となりました。こういった明確な想いがこもった曲だからこそ為し得る事ではないかなぁと思ったりしています。
【今週のテーマ2:『RIG=VEDA』】
ラスボス戦が終わった後で、ミュールが人々に心を開くようになる、その気持ちを表現した曲です。この曲は、非常にキャッチーな旋律が繰り返し出てくるため、とても頭に残りやすい曲ですよね。この曲を制作する際に、土屋としてお願いしていた事は、和的な唄い方で響きがイイ曲にして欲しい、という事でした。作曲はガストの中河が行ったのですが、見事にそれを取り入れてくれ、更に大変キャッチーな曲に仕上げてくれました。
そして、歌い手のみとせさんの力によって、この曲は最初イメージしていたものよりも遙かに素晴らしい曲に仕上がったと思っています。みとせさんは、ご自身でも唱歌を歌われていて、日本語の歌をとても大切にしていらっしゃる方です。ですから、この曲の色をしっかり感じ取って頂けました。そして、メロディの響きがとても綺麗、そして多重で壮大!と言う美味しいところだらけの楽曲になったのです。
実際この曲がアルトネⅠで初めて完成したヒュムノス(謳う丘は除く)でしたから、私の方も負けてられない!と思い、ショックと同時に士気があがったものです。