ヒュムネクロニクル第1回目!『謳う丘』について!
こんにちは、土屋です。
今回から始まった新コーナー、アルトネリコのヒュムノスについて深く語っていく『ヒュムネクロニクル』が堂々開始です!
ヒュムノスはアルトネリコの華。プレイされた皆さんも、「ヒュムノス」や、その詩姫達に興味をお持ちなのではないかと思います。そこで、このコーナーでは、毎回1曲ずつ、歌い手さんや制作者を招きつつ、ヒュムノスについて深く語っていこうと思います。
栄えある第一回目は、アルトネリコそのものを表現している詩「謳う丘」について語っていきます。詩についての思いだけでなく、今だからこそ言えること、今改めて思うことなど、濃いネタが満載です!
【今週のテーマ:『謳う丘』】
今発表されている謳う丘には、2種類が存在します。
1つがアルトネリコのメインテーマ「Harmonics EOLIA」、もう1つが、志方さんのアルバムRakaに収録されている「EXEC_HARVESTASYA/.」です。
この2つは、曲名は同じでも、面白いくらいに対極的な楽曲になっています。
Harmonics EOLIAは、「詩の持つ力」というものを大局的に見た詩で、とても抽象的な詞と世界観を持つ楽曲です。
逆にEXEC_HARVESTASYA/.は、一人の少女が少年のために旅する物語、という、大変具体的な話になっています。この大局的な2つの詩について、色々とぶっちゃけ話をしていきましょう。
Harmonics EOLIAは、私にとって大変な正念場でした。作曲自体は、アルトネリコ発売から逆算すると、ゆうに二年近く前に行いました(アレンジ(編曲)はギリギリになりましたが…)。アルトネリコという世界観を詩にしたいと思ったその時に、メモ書きとして作曲してあったのです。ですから、PS2アルトネリコという作品における、一番最初に作られたのがこの「謳う丘」だったという訳です。
現在のHarmonics EOLIAは、結構ビートがきいている部分があったり、電子系の音が多めに入っていますが、この当時構想していたのは、もっとオーケストラルな、コーラスと弦楽器管楽器によるぶわーーっと広がる迫力の音楽でした。その後、アルトネリコの世界観や、「こんなのもいれてみたい!」「こんな表現もいいかなぁ」なんて事を考えて今のようなアレンジになっているのですが、当初の絵とは随分変わったモノになったのは確かです。
そして、その当初のアレンジに近い形なのは、むしろEXEC_HARVESTASYA/.です。ハーヴェスターシャは、Harmonics EOLIAで出来なかった、当初考えていたオーケストラルでドカーンなアレンジをしよう!という事で気張って作った作品です。その結果、殆ど繰り返しがない、物語に沿って楽曲が変わっていくという、バケモノ曲(しかも6分弱!)になってしまったのです。
更に今だからの話という事で懺悔しますと、2曲ともにコーラスのボリュームが読めなくて、志方さんには随分とご苦労をお掛けしてしまいました。
実際作曲の時には「コーラス音色」で作曲をするのですが、この音色、音が薄いので、どれだけ重ねてもスカスカに聞こえるわけです。なので「こんなのじゃ全然たりーん!」と思い、ガンガン重ねて、コーラスAパート、Bパート、Cパート…Fパート…あれ?すごいコーラス量だ、でもこれくらいで丁度いい感じだな…などと考えて、志方さんに送ったら…スゴイ物量でブルブルされてしまいました(笑えない)。そして全部のコーラスを頂き、MIXしているときに、生声になった時の厚みにビックリ!そしてMIXしながら一人で反省していた次第です。
でもお陰様で、前代未聞の超コーラス曲が完成し、アルトネファンのみならず、志方さんのファンにも気に入っていただけて、作り手としては嬉しい限りです。
今後はあまりご苦労かけないように、そして今まで通りに超コーラス曲を作れたらいいなー…などと思い、目下学習中の日々です…。