ヒュムネクロニクル第5回目!「CHRONICLE=KEY」「HARMONIUS」について!
こんにちは、土屋です。
ヒュムノスに関する開発秘話やエピソードなどを皆さんにお届けするコーナー、ヒュムネクロニクル。皆様の応援のお陰もあり、2周目に突入!という事になりました!
そんなわけで、今回は「CHRONICLE_KEY」と「HARMONIUS」についての、製作苦労話などをしていきたいと思います。
歌い手さんには、志方あきこさんにインタビューをさせていただきました。
【今週のテーマ1:『CHRONICLE=KEY』】
クロニクルキーは、私の中でも最も思い出の深いヒュムノス曲でもあります。アルトネリコを制作している最中、私が一番ドキドキだったのは、ヒュムノス詩がどのように出来上がるか、という事でした。言わずもがな、アルトネリコの売りであり、私としても相当に力を入れている部分でしたから、その出来はずっと気になっていたものです。
そんな中、全てのヒュムノス曲の中で一番最初に送られてきたのが、このクロニクルキーのラフでした。送られてきたのは夜だったのですが、周りの迷惑顧みず、大音響で聴き始めました。そしてこの時思ったのです。「これは勝てる!」と。
クロニクルキーには沢山の自信をもらいました。新規タイトルで前衛的なシステム、そして大作RPGが下火と言われていた時代でしたから、当時の私は得も言われぬ不安がつきまとっていました。システムも世界観も、自分なりには自信はありましたが、それでも不安がありました。ですが、クロニクルキーを聴いたとき、本当にこれはイケル!と思い、嬉しくて笑いが止まらなかったのです。そして、何とかしてプレスの人達にこの音楽を紹介してもらいたい、という想いで色々動き始めたのも、この時がきっかけでした。発売前は分からなくても、プレイしたら、その人が絶対に口コミしてくれる、と思ったのも、このクロニクルキーを聴いたときでした。そんな絶大な自信を与えてくれるほどに、この曲は自分の中で圧倒的だったのです。
隣で夜通しの作業をしていた広報担当の者がビックリして「これが、アルトネリコの詩ですか!?すごいですね!」と言っていたことは、今でも鮮烈に覚えています。私に大きな自信を与えてくれたクロニクルキー。今でもファンの皆さんの中での一番人気は譲っていません。
【今週のテーマ2:『RIG=VEDA』】
そういえば、この曲は昔は違う名前でした。最初に決まっていたのはラスボス戦の曲であるという事でして、その後シナリオが出来たときに初めて、どういう意味合いでラスボス戦で謳うのかが決まったからです。
ちなみに、ハーモニウスの仮名は「EXEC_EXTRACT/.(エグゼク・エクストラクト)」でした。ヒュムノスをよくご存知の方は、何とも不思議な名前だと思われますよね(今では「エクストラクト」とは、いわゆる詩魔法ではないヒュムノス詩の正式なカテゴリ名称として使われています)。
当時まだ何も決まっていなかった頃、今とは逆で、ボス戦ではボスが謳う事になるだろうと考えていました。それ故にエクストラクト(=展開する)という曲名を仮称でつけておいてあったのです。要するに、ボスが変身してパワーアップする為に歌曲として、最初は定義していたという事です。ですがシナリオを組んでいき、最終的にボスが謳うのではなく、ボスを救うために彌紗が謳う曲になりまして、エクストラクトという名前の意味に不一致が出てきました。それ故に「ハーモニウス」という名前に改名したのです。
曲の方は、まさに私の想い描く理想のものが上がってきて、圧倒されてしまった記憶があります。社内でも、ボス戦が超荘厳になりテストプレイでみんなで盛り上がっていました。PVにも使われ、この曲のお陰ですごい大作RPGのようなシビレルPVが出来、広報担当とその話で盛り上がった事も、今では懐かしい話です。