E.P.C.S.R.

◇第13回目!◇

アルトネリコをプレイしていただいた皆様へ

土屋暁

アルトネリコ発売から1ヶ月弱が経ちました。その間に買ってプレイしていただいた皆様、本当にありがとうございました。また、これから遊んでみよう、と思われている皆様も、どうぞよろしくお願いします。
ほたる町内会報は前回で終了だったのですが、今回アルトネリコを応援して頂いている皆さんにどうしてもお礼をしたいと思いまして、再び書かせて頂いております。沢山の暖かい応援、本当にありがとうございます!

インターネットが普及し、プレイされた皆様と私たち開発者がダイレクトに感じたことを伝え合える時代になりました。そんな時代にゲーム制作に関われる事を嬉しく思います。皆さんの個人ブログやコミュニティなどを拝見させて頂いておりますと、本当にこのゲームを好きでいてくれる方がとても多いと感じています。
楽しんで頂けた方の感想はもちろん、駄目な部分を正直にしっかり書いて頂いている方も大勢いらっしゃっいます。特に、駄目だと思っている部分を正直に言える、それを受けとめることが出来る環境というのは本当に良い環境だと思います。
そんな環境にありながら、皆さんの御意見を一方的に見せていただいているだけというのも勿体ない気がします。そこで、私の方からも特に感じたことを幾つか皆さんにお伝えしていこうと思います。

1つ目は詩と音楽。詩、BGM共に、本当に沢山の皆様に愛され大感謝です。そして星詠、月奏などは、一時期生産が追いつかず、皆様に多大なるご迷惑をお掛けしましたこともお詫び申し上げます。何はともあれ今回の音楽、プレイして頂いた皆様に本当に喜んで頂けているのを見る度に、最後まで諦めないで創って良かったと思います。12曲という詩曲は、ゲームを創りながらCDアルバムを1枚創るようなものでした。更には重ね録り60回以上が当たり前のような楽曲ばかりで、これだけでも半年、一年かかるだろうと言われるような代物です。それでも「本当に妥協せずに自分の納得いく基準で作ったものは、必ず買ってくれた人も一緒に幸せになれる…」という想いを持って作り続けました。同じ想いで関わってくれた歌い手さん達、作詞作曲家さん達とも逢う度に、この楽曲達が皆さんに愛されていることを一緒に喜んでいます。想いのこもった「いい音楽」は、100年経っても色あせないと信じています。ゲームソフト、サントラ、月奏、星詠…これらの楽曲達が、何年経っても皆さんの心の中に居続けていたなら、これほど幸せなことはありません。本当に好きになってくれてありがとうございます。

2つ目は、ストーリー展開について。賛否色々ありますが、ガッカリされていた方も見受けられました。そんな方の御意見を読ませて頂きますと「確かにごもっとも…」と思う事も多々ありました。せっかく買ってプレイしていただいたのに、気持ち悪いものを残してしまっていると思うと、申し訳ない気持ちで一杯になります。本当に伝えたかったこと「本当に愛するということ」が、表現不足、技量不足により、沢山の方に上手く伝えられていないことを反省しております。今回皆さんから頂きました厳しい御意見は本当に貴重なものでした。そして、そこまで言ってくださる皆様に、本当にこの作品を、キャラ達を愛してくれてありがとう、という事を伝えたいと思っていました。本当に愛想を尽かしていたら、そんな意見すら書いてもらえない筈ですから。好きだから怒りも出る、やるせなさも出るものです。ですから、厳しい事が書かれていても最後まで真摯に読ませていただいております。
また、ストーリーを良かったと評価していただける方にも、本当に心から感謝しています。今回の物語で伝えたかったことをそのまま受け取ってくれた方もいらっしゃいまして、読んでいて涙が出るほどに嬉しかった事もありました。
アルトネリコは、寝る間も惜しんで妥協せずに作らせて頂いた作品です。しかし、それと皆さんの期待に添えることはまた別。今回の皆さんの御意見ご感想を糧に、次はもっと満足してもらえるものを制作できるよう、今後もそんな想いで更なる努力をしていきます。こうして道標が決まるのも、皆さんの声有ってのことです。一人や開発内だけでは気づけないことも、こうして皆さんの意見から気づけるという事に感謝しています。

3つ目は不具合について。発売後に発覚しました幾つかの不具合におきまして、楽しんでいただいている皆様に多大なるご迷惑をお掛けしましたことを、慎んでお詫び申し上げます。今後このような事が無いよう、更に万全な開発、デバッグ体制で臨んで行きます。

以上3点、皆さんの感想などの中から特に感じていることを正直に書かせていただきました。

良いことはともかく、自らの非をわざわざ書いて謝るってどうなの?と思われる方もいらっしゃるかと思います。私の回答は「常に正直であれ」「常に皆さんと同じ目線であれ」という2点です。私は応援してくれる皆さんと一緒にゲームを盛り上げていきたい、傲慢になることもなく、皆さんの意見を真摯に受けとめていきたいと思っています。自分が思った事は正直に伝える、皆さんの意見も真剣に聴く。こういう所から、皆さんと開発が1つになって、本当に望んでいるものが作られていくのではないかと考えているからです。

「制作者はユーザーに弱いところを見せるな、非を認めるな」という意見もあります。いや、現在はそれが殆どです。それももちろん有りです。ただ、私は皆さんと共に歩んでいきたい。だからこそ、感謝も、自分の非も、感じたことは正直に皆さんに開いていこうと思っています。これからもずっとです。せっかく皆さんの本気の意見を見る機会があって、(この場のように)それに応える場所もあるのに、それをしないなんて勿体ない。
前代未聞かもしれませんが、世の中に一人くらいこんなディレクターがいても良いんじゃないでしょうか?

皆さんの意見を真剣に捉え、それを踏まえた上で、皆さんが考えもしないことを次の企画の核に据えてアッと驚かす、楽しませる。これが私の在りたい姿です。だからこそ、今開催しているアンケートに本気の意見をぶつけて欲しいと思っています。感動したなら感動した!と、怒りを覚えたら怒ってる!と。そういった真剣な想いが、次の作品をいいものにしていきます。
どうぞ、よろしくお願いします。

まだ至らない点もあると思いますが、今後もずっと共に歩んで頂けたら嬉しいです。長文、最後まで読んで頂いて本当にありがとうございました。

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